この記事では、英語学習を始めたばかりの方や、英語力を客観的に測りたい方に向けて、TOEIC Bridgeの魅力と活用法をお伝えしていきます。
TOEIC Bridgeは、英語学習の入口として最適なテストです。難しすぎず、かといって簡単すぎず、ちょうど良い難易度で英語力を測ることができます。
TOEIC Bridgeの概要と特徴
TOEIC Bridgeは、英語初級者から中級者を対象とした英語能力測定テストです。このテストは、アメリカの教育団体ETSが開発し、日本では国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が運営しています。2001年から実施されており、2019年には大幅なリニューアルが行われました。
僕がTOEIC Bridgeを最初に受けたのは、大学1年生の時でした。当時はいきなりTOEICを受けるのは気が引けて、そんな時に出会ったのがTOEIC Bridgeでした。
TOEIC Bridgeの大きな特徴は、日常生活に焦点を当てた内容であることです。ビジネスシーンばかりが出てくるTOEICとは違い、TOEIC Bridgeでは学校生活や日常の買い物、旅行などの場面が多く登場します。これは、英語初心者にとっては非常に取り組みやすい内容だと言えるでしょう。
現在、TOEIC Bridgeにはリスニング・リーディングテストと、スピーキング・ライティングテストの2種類があります。今回は主にリスニング・リーディングテストについて詳しく見ていきますが、4技能をバランスよく測定したい場合は、スピーキング・ライティングテストも併せて受験することをおすすめします。
TOEICとの違い
TOEIC Bridgeと一般的なTOEICには、いくつかの重要な違いがあります。
まず、対象レベルが大きく異なります。TOEIC Bridgeは初級から中級者向けに設計されているのに対し、TOEICは幅広いレベル層を対象としています。
出題内容も大きく異なります。TOEIC Bridgeは日常生活を中心とした場面が多いのに対し、TOEICはビジネスシーンも含む幅広い場面が出題されます。初心者の方にとっては、身近な場面が多いTOEIC Bridgeの方が取り組みやすいでしょう。
試験時間と問題数も異なります。TOEIC Bridgeは1時間で100問、TOEICは2時間で200問です。TOEIC Bridgeの方が短時間で終わるため、英語の学習を始めたばかりの方でも負担が少なく受験できます。
スコアの範囲も大きく異なります。TOEIC Bridgeは30-100点、TOEICは10-990点です。TOEIC Bridgeのスコアは、より細かな英語力の変化を感じ取りやすいように設計されています。
これらの違いを考慮すると、英語学習を始めたばかりの方や、英語に苦手意識がある方にはTOEIC Bridgeがおすすめです。TOEICに挑戦する前の準備段階として、まずはTOEIC Bridgeで自分の英語力を確認し、着実にスキルアップを図っていくことができるでしょう。
TOEIC Bridge試験の詳細
それでは、TOEIC Bridge試験の詳細について見ていきましょう。試験の構成や各パートの特徴を理解することで、より効果的な対策を立てることができます。
試験形式と構成
TOEIC Bridge試験は、リスニングセクションとリーディングセクションの2つから構成されています。リスニングセクションは25分間で50問、リーディングセクションは35分間で50問です。全問題が4択のマークシート方式となっており、慣れない方でも解答しやすい形式になっています。
各セクションは複数のパートに分かれており、それぞれ異なる形式の問題が出題されます。スコアは難易度に応じた配点で算出されるため、単純に正解数だけでなく、問題の難易度も考慮されています。
各パートの特徴と出題傾向
リスニングセクション
リスニングセクションは4つのパートから構成されています。
- パート1:画像描写問題(6問)
短い英文を聞いて、それに最も適した画像を選ぶ問題です。日常生活の様々な場面が描かれた画像が使用されます。 - パート2:応答問題(20問)
短い質問や文章を聞いて、適切な応答を選ぶ問題です。基本的な会話表現や日常的なやりとりが中心となります。 - パート3:会話問題(10問)
短い会話を聞いて、その内容に関する質問に答える問題です。日常生活での対話や簡単なビジネス場面での会話が出題されます。 - パート4:説明文問題(14問)
短いモノローグ(独白)を聞いて、その内容に関する質問に答える問題です。アナウンスや簡単な説明などが含まれます。
リスニングセクションでは、日常生活の場面を中心とした短い会話や説明文が出題されます。
リーディングセクション
リーディングセクションは3つのパートから構成されています。
- パート1:短文穴埋め問題(15問)
1文または2文の短い文章の空所に適切な語句を入れる問題です。基本的な文法知識や語彙力が問われます。 - パート2:長文穴埋め問題(15問)
複数の文からなる短いパッセージの空所に適切な語句を入れる問題です。文脈を理解する力や、より広い範囲での文法・語彙知識が必要です。 - パート3:読解問題(20問)
短い文章を読んで、その内容に関する質問に答える問題です。実用的な文書(手紙、広告、メールなど)の読解も含まれます。
リーディングセクションでは、基本的な語彙や文法知識、短い文章の理解力が問われます。
これらのパートを通じて、TOEIC Bridgeは日常生活で必要な英語コミュニケーション能力を総合的に測定します。一般的なTOEIC同様、各パートの特徴を理解し、バランスよく学習することで、着実にスコアアップを図ることができるでしょう。
TOEIC Bridgeの受験料と申込方法
TOEIC Bridgeを受験するにあたり、受験料と申込方法について押さえておきましょう。
公開テストの受験料は4,950円(税込)です。これは、一般的なTOEICの半額ほどであり、学生や社会人の方も比較的気軽に受験できる金額設定となっています。
実施回数は、2024年度時点で年6回となっています。
一方、IPテスト(団体特別受験制度)の場合は、実施団体によって受験料が異なります。所属している学校や企業でIPテストが実施される場合は、担当者に確認してみるといいでしょう。
公開テストの申込は、オンラインで行うことができます。オンライン申込の場合、IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)のウェブサイトから行います。申込期間は通常、試験日の約1ヶ月前までとなっています。人気の会場は早めに埋まってしまうこともあるので、できるだけ早めに申し込むことをおすすめします。
支払い方法には、クレジットカード、コンビニ払いがあります。クレジットカード決済が最も手軽ですが、学生の方などでクレジットカードを持っていない場合は、コンビニ払いを利用するといいでしょう。
TOEIC Bridgeの難易度と必要な英語力
TOEIC Bridgeの難易度は、英語初級者から中級者を対象としているため、比較的取り組みやすいレベルに設定されています。しかし、高得点を取るためには、一定の英語力が必要です。ここでは、TOEIC Bridgeに必要な英語力について、単語レベルと文法レベルに分けて詳しく見ていきましょう。
単語レベル
TOEIC Bridgeで使用される単語は、主に中学校で学ぶ英単語が中心となっています。全体の約80%が中学レベルの単語で構成されているため、中学英語をしっかり復習していれば、大半の単語は理解できるはずです。
僕が最初にTOEIC Bridgeを受験した時、中学英語の教科書を見直したことを覚えています。懐かしい単語に出会うことも多く、「あ、これなら自分にもできるかも」と少し自信が持てたものです。
ただし、高校初級レベルの単語も一部含まれているので、中学英語だけでなく、高校1年生程度の単語も学習しておくと有利です。特に、日常生活で使用頻度の高い語彙が中心となるので、たとえば「reservation(予約)」「departure(出発)」「appointment(約束)」といった単語は押さえておくといいでしょう。
ビジネス特有の専門用語はほとんど出題されません。これは、TOEICとの大きな違いの一つです。日常生活に関連する単語が中心なので、英語学習を始めたばかりの方でも取り組みやすいでしょう。
また、基本的な単語の多義性や熟語の理解も必要です。例えば、「get」という単語一つをとっても、「手に入れる」「~になる」「理解する」など、様々な意味があります。このような基本単語の多様な使い方にも慣れておくと、リーディングセクションでの長文問題にも対応しやすくなります。
文法レベル
TOEIC Bridgeの文法レベルも、主に中学校で学習する基本的な文法事項がメインとなります。時制、助動詞、関係代名詞など、中学英語の基礎的な文法項目が出題されます。
複雑な構文や高度な文法事項は出題されません。これは、TOEICとの大きな違いの一つです。たとえば、仮定法過去完了や分詞構文といった高度な文法項目は、TOEIC Bridgeではほとんど見られません。
TOEIC Bridgeでは、日常会話で使用される文法表現の理解や、基本的な品詞の働きや語順の知識が必要です。たとえば、形容詞と副詞の違い、SVOCの基本文型などは、しっかりと理解しておきましょう。これらの知識は、特にリーディングセクションの穴埋め問題で役立ちます。
TOEIC Bridge対策と学習方法
TOEIC Bridgeで高得点を取るためには、効果的な学習方法を身につけることが重要です。ここでは、僕自身の経験も交えながら、TOEIC Bridge対策の効果的なアプローチと、おすすめの学習リソースについてお話しします。
効果的な学習アプローチ
中学英語の復習から始める
TOEIC Bridgeの基礎となる中学英語をしっかりと復習することが大切です。ただ、僕が受験した際は中学時代の英語のテキストは持っていなかったので、大学受験の時に使った単語帳を復習していました。
リスニング力強化のため、日常会話の音声に慣れる
TOEIC Bridgeのリスニングセクションでは、日常的な会話が多く出題されます。TOEIC Bridgeの教材の音声を繰り返し聞き、イントネーションやスピードに慣れておくことをおすすめします。
基本的な読解スキルを身につける
リーディングセクションでは、短い文章を素早く読み取る力が求められます。英字新聞の見出しを読む練習や、簡単な英語の記事を時間を決めて読む練習などが効果的です。
時間配分を意識した問題演習を行う
TOEIC Bridgeは時間との戦いでもあります。問題集を使って、実際の試験と同じ時間配分で解く練習を繰り返し行うことが大切です。最初は時間内に解ききれなくても、徐々にペースをつかんでいけるはずです。
公式問題集を活用する
TOEIC Bridge公式問題集は、実際の試験と同じ形式・難易度の問題が収録されているため、対策の際は必ず使うようにしましょう。
Bridgeの対策としてはややオーバーワークですが、後々通常のTOEICも受けるなら、下記のアプリでの学習もおすすめです。
TOEIC Bridgeスコアの活用方法
ここでは、TOEIC Bridgeスコアの具体的な活用方法についてお話しします。
現在の英語力の客観的な把握
TOEIC Bridgeのスコアは、自分の英語力を客観的に把握するための指標となります。特に英語学習初心者〜中級者の方の現状把握におすすめです。
英語学習のモチベーション維持
定期的にTOEIC Bridgeを受験することで、自分の英語力の伸びを数値で確認できます。通常のTOEICは初心者の方だとうまく解けず、自信喪失につながる可能性もありますが、 Bridgeは程よい難易度なので、英語学習を始めたばかりの方のモチベーション維持に役立ちます。
一般的なTOEIC受験への準備段階としての活用
TOEIC Bridgeで高得点を取れるようになったら、次はTOEICにチャレンジしてみましょう。僕自身、TOEIC Bridgeで90点以上を取得してから、TOEICに挑戦しました。Bridgeで培った基礎力が、TOEICでも大いに役立ちました。
ビジネス場面でのBridgeの実用度はかなり低いですが、学習の進捗を把握するツールとしてはぴったりの試験です。
よくある質問
TOEIC Bridgeに関して、よく聞かれる質問にお答えします。
TOEIC BridgeはTOEICの代わりになりますか?
就職活動や転職時の英語力証明としては、一般的にTOEICが求められます。TOEIC Bridgeはあくまでも英語学習の途中経過を確認するためのテストです。TOEICに挑戦する前の準備段階として活用するのが望ましいでしょう。
スコアの互換性はないため、資格として役立てるなら、最終的にはTOEICの受験が必要になります。
TOEIC Bridgeの勉強期間はどのくらい必要ですか?
中学英語が定着している場合、1〜2ヶ月程度の集中学習で十分な場合もあります。一方、英語が苦手な場合は、3〜6ヶ月程度の学習期間を設けるのがおすすめです。
TOEIC BridgeとTOEICのスコアに換算はありますか?
以前は換算表がありましたが、2024年時点ではTOEIC BridgeとTOEICのスコアに公式な換算表は存在しません
テストの性質が異なるため、TOEIC Bridgeで高得点を取れても、TOEICでは同等のスコアを取れるとは限りません。TOEICのスコアが必要な場合は、最終的にTOEICを受験する必要があります。
TOEICは特有の難しさがあるので、以前あった換算表があまり意味をなしていなかったのかもしれませんね。
まとめ:TOEIC Bridgeで英語学習の第一歩を踏み出そう
TOEIC Bridgeは、英語学習を始めたばかりの方や、英語に苦手意識を持つ方にとって役立つテストです。
将来的なTOEIC受験やさらなる英語力向上の足がかりとしても、TOEIC Bridgeは大いに役立ちます。TOEIC Bridgeで培った基礎力は、TOEICはもちろん、実際の英語コミュニケーションの場面でも活かすことができるでしょう。
「いきなりTOEICは難しそう!」と感じる方は、ぜひまずはTOEIC Bridgeから始めてみてくださいね。