グローバル化が進む今の時代、お医者さんにとって英語力は必須のスキルです。英語の医学論文を読み書きしたり、国際学会で発表したり、外国人の患者さんとコミュニケーションを取ったりなど、高い英語力が求められます。
しかし、多忙な医者の日常の中で、英語の勉強に悩む方も多いのではないでしょうか?
この記事では、他分野から京大医学研究科に進学し、ゼロから医学英語を勉強した僕が、お医者さんにおすすめの英語の勉強法を詳しく解説します。
結論:医者の英語力アップに必要なのは語彙力
多くのお医者さんは、医学部の難関入試を突破しているので、英文法の基礎知識や基本的な英単語は習得できています。TOEICで言えば、600-700点程度の実力は十分にあると言えるでしょう。
じゃあなんでお医者さんは英語で苦労するの?
その理由は、医学英語特有の語彙力不足にあります。英語の実力は語彙力と文法力の掛け合わせで決まりますが、医学部入試で身に付けた一般的な英単語だけでは、医学論文を読み解くのは至難の業です。
つまり、お医者さんの英語力不足の原因のほとんどは語彙力不足なんです。裏を返せば、医学英語の語彙力を鍛えることが、お医者さんの英語力アップの近道と言えます。いきなり英会話教室に通ったりアカデミックライティング講座を受講したりするよりも、まずは語彙力を高めることから始めるのが賢明だと僕は考えています。
医者におすすめの英語の語彙学習教材
医療現場での英会話の練習や論文のライティングレッスンは1人では難しいですが、語彙学習は自分のペースで独学可能です。
ここでは、お医者さんにおすすめの英語の語彙学習教材を、初級・中級・上級の3段階に分けて紹介します。いずれもZ会が出版している良質な教材ばかりです。
Z会と言えば、受験生御用達の通信講座として有名ですよね。その Z会が「大学生・社会人向けにも優れた英語教材を提供している」というのは、意外に知られていない事実です。
初級教材:テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]
テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]
お医者さんの英語の基礎力を鍛えるのにぴったりなのが、「テーマ別英単語 ACADEMIC [初級]」です。大学生・社会人向けの語彙学習教材で、理系・文系共通の内容になっています。
おすすめの使い方
この教材は長文パートと語彙パートに分かれていますが、お医者さんの場合は語彙パートを集中的に学習するのがおすすめです。
いろんな分野の英単語が含まれていますが、この初級レベルは後々の英語運用力の基礎につながるので、飛ばさずに全ての単語をしっかり覚えておきましょう。
中級教材:テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 02 自然科学編
テーマ別英単語 ACADEMIC [中級] 02 自然科学編
中級レベルからは自然科学編と人文・社会科学編に分かれます。お医者さんなら迷わず自然科学編を選びましょう。生物学や医学の専門的な英単語がふんだんに収録されているので、特に基礎医学系の語彙力を効果的に強化できます。
おすすめの使い方
物理学などの医学と関係の薄いパートは飛ばして問題ありません。その分、生物系と医学系の単語は可能な限り頭に叩き込みましょう。
初級教材の内容を一通り習得してから取り組むと、学習効果が格段にアップします。
上級教材:テーマ別英単語 ACADEMIC [上級] 02 自然科学編
テーマ別英単語 ACADEMIC [上級] 02 自然科学編
初級・中級を一通りマスターしたら、Z会の英単語帳の最高峰、「テーマ別英単語 ACADEMIC [上級] 02 自然科学編」に取り組みましょう。
最上級のレベルとなっていますが、僕が京大の医学研究科にいた時の感覚では、マニアックなものは含まれておらず、絶対知っておいた方がいいレベルの単語帳だと思います。
おすすめの使い方
中級教材と同様、自分の専門に関係のない分野は思い切って割愛しましょう。個人的には、上級の長文問題は内容が面白いので、時間があればぜひ読んでみることをおすすめします。
この上級教材をクリアしたら、そのあとは自分の診療科や学会に関連する論文を読み進め、単語帳では網羅できなかった専門用語をノートやスマホのメモ帳にまとめていくのがおすすめです。
医者の英会話力を鍛える方法
語彙力が一定レベルに達したら、いよいよ英会話の練習にも取り組みたいところです。しかし、お医者さんの場合、一般の英会話教室やオンライン英会話では対応が難しいケースが多いです。
そこで活用したいのが、オーダーメイド型の英語学習サービス「英語コーチング」です。英語コーチングなら、お医者さん1人ひとりに合わせたカリキュラムを組んでもらえるので、医療英語の学習にも最適だと言えます。
おすすめの英語コーチングスクールについては、下記の記事をご覧ください。
医者の英語学習によくある質問
最後に、お医者さんの英語学習によくある質問をQ&A形式で紹介します。英語の勉強法で悩んでいる先生方の参考になれば幸いです。
医者がTOEIC対策をする意味はある?
正直言って、TOEICの出題傾向は一般的なビジネス英語寄りなので、医者の英語学習にはあまり役立たないと思います。
あえて言うなら、TOEFLやIELTSの方が医療系の大学院への留学や、海外の医療機関への就職などで必要になる可能性があります。
お医者さんの英語学習は、資格試験対策ではなく、あくまで臨床と研究に役立つ英語力の獲得を目指すべきだと僕は考えています。
英語コーチングを受講するベストなタイミングは?
先ほど紹介したトライズは1年間の長期プログラムで、会話力も含めて総合的に英語力を高められるので、語彙力を鍛える段階でいきなり受けるのもおすすめです。多忙にはなりますが、その分、学んだことを実践に移す機会も多いので、効果的に英語力を伸ばせるはずです。
一方、スピークバディは1日の想定学習時間が短く、3ヶ月という短期集中型なので、あらかじめ語彙力を身につけてからチャレンジすることで、より効果的に英会話力を伸ばせるはずです。
まとめ:医者の勉強は語彙力教材と英語コーチングを活用しよう
この記事では、お医者さんの英語の勉強法について解説しました。
Z会の英単語帳は、医学英語の語彙力を効率的に高めるのに最適なツールだと僕は考えています。語彙力に自信がついたら英語コーチングを活用して、実践で役立つコミュニケーション能力をどんどん磨いていくのがおすすめです。
毎日かなり忙しいというお医者さんは、英語コーチングを受講すれば日々の学習計画もサポートしてくれるので、トライズなどの無料カウンセリングで試しに相談してみてください。