近年、大学院入試では英語の独自試験の代わりに、TOEFLやTOEICなどの民間の資格試験スコアを使うことが増えてきました。
その中でも、一番多いのはTOEFLのみを使うパターンで、次に多いのが、TOEFLとTOEICの両方を認めているパターンです。
僕自身、京都大学理系の修士課程進学の際に、TOEICのスコアを提出しました。その時の体験談を詳しく紹介しつつ、院試に必要なTOEICスコアなどについてお話ししたいと思います。京大以外の大学院を受験される方にも役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください!
京大理系の院試で必要なTOEICスコアは?
提出したスコアについて
僕が進学したのは、京大理系の中でも特に競争率の高い分野の大学院でした。当時、僕が提出したTOEICスコアは875点でした。
ネットでは「東大・京大は800点必須!」みたいなことが書いていたので、英語で差をつけようと思っていた僕は「これだとあまり周りと変わらないかも…」とちょっと落ち込んでいたのを覚えています。
実際に合格できたので、結果オーライでした。ただ、もう少し余裕を持ってTOEIC対策に取り組めていれば、当時で900点以上も狙えたかもしれないと今でも思います。
合格者のスコアについて
合格発表後、周りの合格者に聞いて回ったところ、意外にも700点台の人が多数いることがわかりました。英語が得意な同期は800〜900点台を提出している人もいましたが、競争の激しい分野であっても、やはり理系の学生の中には英語が苦手な人が多いようです。
先ほど触れたように、ネットで「京大の大学院は英語の最低ラインが800点以上」といった情報を見かけることもありますが、実際にはそこまで厳しくないと感じました。もちろん、高得点を取れるに越したことはありませんが、700点台でも十分合格のチャンスはあると言えるでしょう。
入試でのTOEICの位置付けの考察
合格後に得点開示を申請してみたところ、英語のTOEICは配点的にそこまで重視されていない印象を受けました。それよりも、専門科目の配点が非常に高く、かなり衝撃を受けました。
僕は最初「専門科目は苦手だから英語で差をつけよう」と考えていましたが、配点を見る限りTOEICで差をつけるのは難しく、もし専門科目の勉強をかなりサボっていたら、不合格だったかもしれないと感じました。
ただし、これは僕が受験した大学院の事例であり、他の大学院や研究科でも同じ傾向とは限りません。あくまでも参考程度に捉えていただければと思います。大学院によっては、TOEICを重視している場合もあるはずです。
院試でTOEICを使う方へのアドバイス
ここまでの内容をもとに、院試でTOEICスコアを提出する方に向けて、僕なりのアドバイスをお届けします!
文系はハイスコアが必要なケースも
僕の友人に、別の大学の文系・国際系学部出身の人がいます。その人の場合、学部2回生から3回生への進級時にTOEIC730点以上が必須条件だったそうです。ということは、その研究科の院試ではそれ以上のスコアを持っている人が多くいる可能性が高いです。
一般的に、文系学部には英語が得意な学生が多く集まる傾向にあります。そのため、理系と比べると、800点台以上のハイスコアが求められるケースも多いと考えられます。文系の院試でTOEICを使う方は、この点も念頭に置いておくといいでしょう。
TOEICを早めに複数回受験する
院試では、複数のTOEICスコアから最も高い点数を選んで提出することができます。提出期限は願書提出時点であることが多いため、できるだけ早い段階から複数回の受験を計画し、ベストスコアを準備しておくのがおすすめです。
実は僕はギリギリのスケジュールで1回しか受験できませんでした…。僕を反面教師に、皆さんにはぜひ複数回受験していただきたいです。
専門科目と面接対策を怠らない
TOEIC対策に熱中しすぎて専門科目の勉強や面接対策の時間が不足してしまうと、不合格の可能性が高まります。バランスを考えて、計画的に対策を進めるのが大切です。
大学のオープンキャンパスなどで先輩の話を聞き、目安となる目標スコアを設定しておくのがおすすめです。その目標に到達したら、TOEIC対策はいったん休止して、他の入試対策に専念するのが賢明だと思います。
院試でTOEICを使うならおすすめのスクール・アプリ
TOEIC対策に特化したい方は、オンラインのスクールやアプリを活用するのもおすすめ。ここでは僕が実際に使ったことのある2つのサービスを紹介します。
egnite(イグナイト)
引用:egnite公式サイト
egniteは、日々の英語学習をマンツーマンでサポートしてくれるオンラインの英語コーチングスクールです。オンライン完結型のサービスのため、校舎の維持費などを抑えることで、良心的な価格設定を実現しています。
egniteのTOEICコースは、最安値で月額49,800円(税込)から受講可能です。3ヶ月の短期集中で目標スコアの達成を目指せるのが魅力です。
院試対策に無駄な時間を使わず、効率的にスコアアップしたい方におすすめのサービスです。僕の体験談も含めて詳細をチェックしたい方は下記の記事もご覧ください!
スタディサプリENGLISH TOEIC対策コース
引用:スタディサプリENGLISH TOEIC®対策
すでに自学自習の習慣が身についている方なら、アプリを使った対策もおすすめです。中でもスタディサプリENGLISHは、TOEICに特化した充実の対策コースを用意しています。
具体的には、TOEICでよく出題される語彙のトレーニング機能、文法ポイントを解説した動画コンテンツ、そして中上級者向けのAIを活用した学習機能などです。
自分のペースでコツコツと学習を進められるので、英語に苦手意識のある方にはegnite、そうでない方にはスタサプがおすすめと言えるでしょう。僕は実は院試の時にこのアプリの存在を知らなくて、かなり後悔しました…。実際に使った体験談は下記の記事をチェックしてください!
院試のTOEICについてよくある質問
最後に、院試のTOEICについてよく寄せられる質問について、僕なりの見解をお伝えします。
院試に提出するTOEICの期限は?
多くの場合、過去2年以内に取得したスコアの提出が求められます。
受験した時期がかなり前の場合はこの点に注意が必要です。
TOEFLとTOEICの両方を提出できる場合、どちらを選ぶべき?
僕が受験した大学院の得点開示によると、両方が選べる場合、英語資格試験のスコアは独自の換算式で評価されるようでした。つまり、TOEFLとTOEICのどちらが有利ということはないと考えられます。
TOEFLは4技能(読む・聞く・話す・書く)を測定する試験ですし、受験料もTOEICより高額です。もし選択肢があるなら、学習教材や専門スクールが豊富なTOEICを選ぶのが圧倒的におすすめです。
まとめ:院試で必要なTOEICスコアは経験者に聞こう!
この記事では、京大理系の院試でTOEICを使った経験をもとに、必要なスコアや対策方法などを詳しくお話ししました。インターネット上の一般論は実情とは異なることが多いので、実際に進学した先輩の話を聞くのが何より大切だと思います。
特にオープンキャンパスや研究室訪問の機会があれば、在学生の方にスコア事情を聞いてみるのがおすすめです。1人だけだと極端なスコアの場合があるので、複数人に聞いてみましょう。みなさんが志望する大学院に合格できるよう、心から応援しています!