この記事では、洋楽を使った英語学習について、英語上級者としての率直な意見をお伝えします。
結論を先に言うと、洋楽学習には娯楽や気分転換としての価値はありますが、本格的に英語力を向上させるには非効率的な学習法だと言わざるを得ません。その理由を詳しく解説していきたいと思います。
なぜ洋楽での英語学習は意味がないのか?
僕自身、学生時代は洋楽にどっぷりハマり、歌詞を見ながら何度も聴いて英語の勉強になると信じていました。洋楽好きの友人たちと歌詞の意味を語り合ったり、お気に入りのフレーズを何度も口ずさんだりしたものです。
しかし、TOEICで高得点を取得し、実際に仕事で英語を使うようになってから、洋楽学習の限界を痛感するようになりました。
まず大きな問題は、洋楽の歌詞が日常会話であまり使われない表現だらけだということです。韻を踏むために不自然な言い回しが多用され、文法的にも正しくない歌詞がゴロゴロしています。
例えば、“I ain’t gonna ~” や “Gonna” など、口語表現が頻出します。これらを会話で使おうものなら、教養のない人と思われてしまうかもしれません。
発音も、歌唱時の誇張された発音をマネしても会話では通用しません。加えて、洋楽にはスラングや俗語が頻出します。
“Bro”、”Homie”、”Dough” など、カッコいいと思って使ったら、ビジネスシーンでは不適切だと指摘され、むしろマイナスイメージを与えかねません。
何より、歌詞を調べて暗記する作業は膨大な時間を浪費するわりに、英語力向上への効果は限定的です。
一つの曲を完璧に理解するのに数時間かかることも珍しくありません。それだけの時間をかけても、実践で使える表現は一握りです。時間対効果の観点から見ても、かなり非効率的だと言わざるをえません。
洋楽での英語学習に時間を費やすことが意味ないさらなる理由
「でも、洋楽を聴きまくれば、リスニング力だけでも上がるんじゃないの?」と思われるかもしれません。もちろん、洋楽を聴けば聴くほど、音の聞き取りには慣れていくでしょう。語彙力が増えるという効果も期待できます。
でも残念ながら、洋楽のリスニングが実践的な会話力に直結することはあまりありません。その理由はいくつかあります。
まず、歌詞の多くは文脈に強く依存していて、汎用性に欠けます。例えば、ラブソングに出てくるような甘い表現を、ビジネス会話で使うことはまずないでしょう。
恋愛の歌なら “Baby”、”Honey” といった呼称が頻出しますが、上司に向かってそんな風に呼びかけたら大変なことになります。
たとえ歌詞を丸暗記しても、実際の会話では応用が効きません。覚えたフレーズを使いたくても、タイミングを逸してしまうのです。単語レベルの知識は増えても、実践的なスピーキング力にはなかなか結びつかないのが現実です。
何より、洋楽学習は体系的なカリキュラムに沿って進めるのが難しいのが玉にキズ。ランダムに曲を選んで聴いているだけでは、英語の基礎から応用までを網羅的に学ぶことができません。
どれだけ上達したのか客観的に測定することもできないので、目標達成へのモチベーションを保つのも一苦労です。
洋楽を使った英語学習の失敗例
多くの方が、こんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。
- 好きなアーティストの曲を何百回と聴いているのに、肝心の会話力は全然上達しない
- 歌詞の意味を調べるのに何時間も費やして、他の重要な学習がおろそかになる
- カラオケでは歌えるのに、実際に英語を話そうとすると言葉が出てこない
- 音楽に没頭しすぎて、肝心の英文法の勉強が疎かになる
- 計画性なく適当に洋楽を聴いているうちに、英語学習へのモチベーションが下がっていく
僕も、高校生の頃は上記のような経験をしていました。次のセクションからは、より効果的な英語学習を解説していきます。
洋楽より効果的な英語学習法1:英語学習アプリの活用
では、洋楽の代わりにどんな学習法がおすすめなのでしょうか。まずは、英語学習アプリの活用が挙げられます。
最近の英語アプリの進化はめざましく、AIを使って一人ひとりに最適化された学習プランを提供してくれるようになりました。
自分のレベルや目的に合わせて、無駄のない効率的なカリキュラムを組むことができ、学習の進捗状況も可視化されるので、目標達成に向けてPDCAサイクルを回していけます。
例えば、英会話特化のアプリなら、ネイティブが日常的に使う口語表現を場面別にかつ体系的に学べます。発音矯正機能も充実しているので、正しい発音が身につきやすいです。 洋楽頼みだと偏りがちな語彙も、アプリなら実用性の高い単語を効率よく学習できます。
リスニング専門のアプリもおすすめです。ニュースやドラマのクリップを使った実践的なトレーニングで、自然な話し言葉に慣れることができます。ディクテーション問題で、聞き取りの弱点を特定し克服していけるのも魅力です。
学習データが蓄積されるので、客観的に自分の上達度を測ることができ、モチベーションの維持にもつながります。アプリを使った学習は、洋楽に比べて圧倒的に効率的です。
おすすめアプリについては下記の記事をご覧ください。
洋楽より効果的な英語学習法2:オンライン英会話レッスン
スピーキングスキルを鍛えて英語を使いこなせるようになりたいなら、オンライン英会話レッスンもおすすめです。
オンライン英会話では、経験豊富な講師とマンツーマンでレッスンを受けられるので、自分の弱点を集中的に克服でき、実践的な会話力が確実に身につきます。
最大の魅力は、時間と場所を選ばずに学習できることです。自宅にいながら短時間で集中的に学べるので、仕事で忙しい社会人にもぴったりです。通学の必要がないので、移動時間を勉強に充てられるのも大きなメリットです。
レッスン中は、発音やリスニングの誤りをその場で指摘してもらえるので、自分の癖に気づき、素早く修正できます。洋楽のように誤った発音を覚えてしまうリスクを避けられるのは心強いですね。
また、レッスン内容を自分の目的に合わせてカスタマイズできるのも強みです。TOEICのスコアを上げたいのか、ビジネスで通用する会話力を身につけたいのか、プレゼンテーションスキルを磨きたいのか。自分の関心に特化した学習ができるので、ムダな時間が省けます。
おすすめのオンライン英会話については、下記の記事をご覧ください。
洋楽より効果的な英語学習法3:英語コーチング
最後におすすめしたいのが、英語コーチングです。英語コーチングとは、英語学習のプロフェッショナルが生徒一人ひとりの目標に応じて最適な学習戦略を設計し、PDCAサイクルに沿った効果的な学習を促してくれる頼もしい存在です。
英語コーチに付いてもらえば、自分に本当に必要な学習に集中できます。ビジネス英語に特化したコーチなら、メールの書き方から商談の受け答えまで、実践的なスキルを身につけるサポートをしてくれるはずです。
料金は高額な傾向にありますが、プロの視点で学習者の強み弱みを分析し、その人に合った学習法を提案してくれる点は非常に心強いです。つまずきのポイントを的確に指摘し、効率のいい克服法を一緒に考えてくれるので、ムダな試行錯誤が減らせます。
英語の文法や単語をただ詰め込むのではなく、実践的なコミュニケーション能力の向上を重視してくれるのも、コーチング型学習の魅力と言えるでしょう。
加えて、英語コーチは第三者の立場から客観的にアドバイスをくれるので、自分一人では設定しづらい高い目標にもチャレンジしやすくなります。プロの視点で適切なハードルを設定してもらえば、着実にステップアップできます。
英語コーチングは、英語が極端に苦手な方や、勉強法がマンネリ化している上級者の方に特に効果的です。おすすめのスクールについては下記の記事をご覧ください。
洋楽を使った英語学習のよくある質問
最後に、洋楽学習についてよく寄せられる質問に答えておきたいと思います。
洋楽での英語学習は完全に意味がないのですか?
洋楽を聴くこと自体に意味がないわけではありません。楽しみながら英語に触れられる点は、学習へのモチベーションを高めるのに役立ちます。何より娯楽としての価値は十分にあると思います。
英語学習の補助ツールとして活用する分には、部分的に効果が期待できる場合もあるでしょう。新しい単語や言い回しを知るきっかけにはなります。ただし、偏った表現も多いので、辞書で意味や使い方をしっかり確認する必要があります。
例えば、映画やドラマでネイティブがよく口にするフレーズを、洋楽から学ぶのはアリだと思います。英語特有のリズムやイントネーションをつかむ練習にもなるでしょう。
また、洋楽を通して英語圏の文化やトレンドに触れることにも意義があります。言葉だけでなく、その背景にある価値観を理解する助けになる場合もあるでしょう。
ただし、やはり洋楽をメインの学習法にするのはおすすめできません。あくまでも副教材の一つと割り切って、効率的で体系的な学習法を中心に据えるようにしましょう。
他の効率的な学習法では、どのくらいで成果が出ますか?
アプリやオンラインレッスンを使えば、早ければ3ヶ月程度で英語力の向上を実感できるはずです。毎日30分から1時間、スキマ時間を見つけて集中して取り組めば、リスニング力は着実に上がっていくでしょう。
集中型学習の英語コーチングを併用すれば、さらにスピードアップできる可能性が高いです。コーチの的確な指導のもと、日常的に英語に触れる環境を作れば、1年以内に実務レベルの英語力を身につけることも不可能ではありません。
もちろん、個人差はあります。年齢や学習適性、仕事の忙しさなどに左右されることも事実です。しかし、効率的な学習法をコツコツ続ければ、遅かれ早かれ必ず成果に結びつくはずです。
英語学習に王道はありません。自分に合った学習法を見つけて、毎日の積み重ねを大切にしていくことが何より重要だと僕は考えています。
まとめ
洋楽での英語学習には限界があります。ネイティブの日常会話で使えない表現だらけで、文法的にも正しくない歌詞が少なくありません。発音やスラングの面でも、実践での応用は難しいでしょう。
何より問題なのが、学習効率の悪さです。歌詞の意味を調べたり暗記したりするのに膨大な時間を費やすわりに、身につく英語力は心もとないです。
英語学習アプリ、オンラインレッスン、英語コーチングは、洋楽学習より断然おすすめできる学習法です。体系的なカリキュラムに沿って効果的に学習を進められるので、無駄を省いて短期間で着実に英語力を伸ばせます。みなさんも、効率的な学習法を上手に取り入れて、英語力アップに向けて一歩ずつ前進していってください。